アルコール代謝経路
血液に入ったアルコールは循環されて脳に到達します。すると、アルコールが脳の神経細胞に作用し、麻痺させます。そして、その結果として酔った状態になります。
アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20gです。
この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、ビールは中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)、焼酎0.6合(110ml)が目安となります。
お酒の1単位(純アルコールにして 20g)
ビール | (アルコール度数5度)なら | 中びん1本 | 500ml |
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日本酒 | (アルコール度数15度)なら | 1合 | 180ml |
焼酎 | (アルコール度数25度)なら | 0.6合 | 約110ml |
ウイスキー | (アルコール度数43度)なら | ダブル1杯 | 60ml |
ワイン | (アルコール度数14度)なら | 1/4本 | 約180ml |
缶チューハイ | (アルコール度数5度)なら | ロング缶 1缶 | 500ml |
アルコール量の計算式 | お酒の量(ml)×[アルコール度数(%)÷100]×0.8 例)ビール中びん1本 500×[5÷100]×0.8=20 |
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体重約60kgの人が1単位のお酒を30分以内に飲んだ場合、アルコールは約3~4時間体内にとどまります。2単位の場合ではアルコールが体内から消失するまで約6~7時間かかります。これには個人差があるため、体質的にお酒に弱い人や女性はもっと長い時間がかかります。
また、深夜まで飲んでいると翌朝起床後まで体内にアルコールが残っているため、二日酔いとなってしまいます。
血中濃度(%) | 酒量 | 酔いの状態 | 脳への影響 | ||
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爽快期 | 0.02~0.04 | ビール中びん(~1本) 日本酒(~1合) ウイスキー・シングル(~2杯) |
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軽い酩酊 | 網様体が麻痺すると、理性をつかさどる大脳皮質の活動が低下し、抑えられていた大脳辺縁系(本能や感情をつかさどる)の活動が活発になる。 |
ほろ酔い期 | 0.05~0.10 | ビール中びん(1~2本) 日本酒(1~2合) ウイスキー・シングル(3杯) |
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酩酊初期 | 0.11~0.15 | ビール中びん(3本) 日本酒(3合) ウイスキー・ダブル(3杯) |
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酩酊期 | 0.16~0.30 | ビール中びん(4~6本) 日本酒(4~6合) ウイスキー・ダブル(5杯) |
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強い酩酊 | 小脳まで麻痺が広がると、運動失調(千鳥足)状態になる。 |
泥酔期 | 0.31~0.40 | ビール中びん(7~10本) 日本酒(7合~1升) ウイスキー・ボトル(1本) |
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麻痺 | 海馬(記憶の中枢)が麻痺すると、今やっていること、起きていることを記憶できない(ブラックアウト)状態になる。 |
昏睡期 | 0.41~0.50 | ビール中びん(10本超) 日本酒(1升超) ウイスキー・ボトル(1本超) |
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死 | 麻痺が脳全体に広がると、呼吸中枢(延髄)も危ない状態となり、死にいたる。 |